我が家のお風呂には、あひるの小さな湯おけがあります。次女(5歳)は、その湯おけを「プッカちゃん」とよび、湯船につからせ、お風呂から出る時、タオルで拭いていることがありました。「プッカちゃん、風邪ひいちゃうといけないからね」と言いながら。『おふろだいすき』(松岡享子/作、林明子/絵、福音館書店)に出てくるあひるのプッカを想像して遊んでいたのです。2人の娘が生まれてから、読み聞かせをしていますが、このように絵本が遊びの幅を広げてくれ、親子の会話を豊かにしてくれることが本当に楽しいです。また、子育てで悩んだ時や子どもの疑問に上手に答えてあげられない時、絵本に教えられ助けられています。
最近では、寝る前に『子どもに語るグリムの昔話』(佐々梨代子・野村泫 訳、こぐま社)を読み聞かせしています。最初、次女は「絵がないから、嫌だ」と言いましたが、長女(8歳)は「聞きたい」と言ってくれたので、長女に読み聞かせをし始めました。すると、いつの間にか、次女も長女と一緒にお話を最後までじっくりと聞いていたので驚きました。昔話のもっているふしぎな力は、子どもたちを引き付けるということを実感しました。長女は「頭の中でお話を想像しながら聞いているのが楽しい」と言い、お気に入りの1冊になりました。子どもの頃、絵本体験が乏しかった私ですが、絵本との出会いを作ってくれた娘たちに感謝しています。これからも、親子で一緒に絵本体験を重ねていきたいです。
(みぞはら・ゆか)
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