おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第101号(2015.07.10)








トヤのひっこし
『トヤのひっこし』 
イチンノロブ・ガンバートル/文 
バーサンスレン・ボロルマー/絵
 福音館書店

 モンゴルでゲルに住んでいるトヤの家族が山を越えて緑と水のある場所へ旅をする様子を描いた絵本。家族はラクダに乗って羊と一緒に旅をします。途中で、オオカミの声におびえたり、親切な家族に出会ってお水をもらったり、高い山を越えたりしてやっと目的地にたどり着きます。画面に広がる細かい絵の中に、モンゴル平原のスケールの大きい豊かな自然と、トヤの家族一人一人の旅への気持ちが読み取れます。(税込価格1620円)


● ねこのそら
『 ねこのそら』 
きくちちき/作 
講談社 

 白い子猫が1年間、大きな木に登りながら、「ぼく、おおきくなった?」と聞き続ける絵本。子猫は季節が変わるごとに少しずつ高いところまで登れるようになり、1年後の春には、木のてっぺんで空を見ることができます。大きな木は子猫を見守り、子猫に「おおきくなれますよ」と告げます。成長を夢みて木に登り続ける子猫の様子が、エネルギッシュな筆遣いとページをめくるごとに変化する色によって表現されています。(税込価格1620円)









しんぞうとひげ アフリカの民話
『しんぞうとひげ アフリカの民話』
しまおかゆみこ/再話 モハッド・チャリンダ/絵 
ポプラ社

 21日間、何も食べられず、はらぺこの「しんぞう」と「ひげ」は、22日目に出会いました。ひげは、しんぞうを食べようとして、飛びかかり、しんぞうは逃げ出して、人間の男の体の中に隠してもらいます。ひげはそれを知って、男のあごに貼りついて、しんぞうを待つことにします。言葉がリズミカルで、タンザニアのティンガティンガ・アートという手法で描かれた絵がユーモラスです。(税込価格1512円)


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