★頼もしい若者目指す★
鈴木眼科 院長・鈴木 一作さん(寒河江市)


 「大学入試は高1の夏休みからだ」―これは、ある進学校のPTA会合での校長挨拶だった。高学歴を否定するつもりはないが、それは自分の人生を充実させる十分条件のほんの一部に過ぎず、少なくとも必要条件ではない。むしろ充実した人生を望むなら、他人の喜びや悲しみに共感する力や、困難に立ち向かう勇気や忍耐力こそが必要だろう。その上で、やさしさ・誠実さ・責任感こそが人や社会を動かす源である事を、肌身で感じ取っている若者であって欲しい。それらは、読書や体験を通じて少しずつ培われていく能力であり、私が小学校で絵本読み語りを続けてきたのも子どもたちへのそういう思いからである。
 「夏休みは、バイト・ボランティア・地域活動・自転車旅行など、自分自身を大きくしてこい。そして本を読め」が、私から高校生へのメッセージです。それは、志とやさしさに満ちた頼もしい若者を目指す絵本フォーラムの思いと一緒です。発刊30号おめでとう。
★子どもの心の糧として★
たんぽぽ保育園 園長・阿部 幸子さん(山形市)


 みっちゃんとさっちゃんは、4歳の双子の姉妹です。いつもは仲良しですが、時にはケンカをします。今朝も、些細なことで言い争いになり、プンプンと険悪ムードです。そんな2人に「絵本読もうか」と声をかけると、うれしそうに「ウン」。小さい頃から絵本に親しんでいるので、すぐに絵本の世界に入り込みます。1冊の絵本を読み終える頃には、体を寄せ合いすっかり仲良しムードです。
 保育園では、赤ちゃんの頃からたくさんの絵本を読み聞かせしています。ケンカした時もうれしい時も、いつも絵本が側にあります。絵本は、子どもたちの心を満たしたり、励ましたりします。時には、みっちゃんたちのように、ギスギスした心をつないでくれます。そんな、絵本とのステキな出会いを届けてくれる『絵本フォーラム』が、創刊4周年を迎えたことを、うれしく思います。いつまでも、子どもたちの心の糧として共に歩んでいただけることを、心から期待しています。
★こんな国にだれがしたの!? ★
童心社 取締役・佐倉 清一さん


 この国は、いったいどうなってしまったの。政治家の乱暴な発言があい続いている。「集団レイプする人は、元気があっていい」「子どもを一人もつくらない女性が自由を謳歌し楽しんで、年とってから税金で面倒みなさいというのはおかしい」「子どもを産めなくなった女は生きていてもしかたがない、という学説に賛成!」。女性はどうして怒らなくなったの。
 米英によるイラク爆撃を、米英のイラク侵略戦争となぜ言わないの。ニセの大量破壊兵器保持疑惑情報で、フセインが気に入らないからと勝手に他国を侵略していいの。自国がもっている大量破壊兵器はどうして廃棄しないの。不正義な戦争支援のために、憲法9条に違反する法律がどうしてできるの。北朝鮮の核兵器は危険で、世界大国のもっている核兵器は安全なの。
 ああ、いまいましい。
 子どもが本を読まない国に未来はない。
★絵本への思いがつまってる★
中居林保育園 園長・椛沢 幸苗さん(八戸市)


 『絵本フォーラム』創刊4周年・30号発行おめでとうございます。
 絵本の素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいと言う熱意から出来上がった『絵本フォーラム』は、絵本を愛する人たちの思いでいつもいっぱいに膨らんでいるように感じます。お母様から寄せられる「私の絵本体験記」は絵本が繋ぐ親子の絆を感じさせ私の大好きなコーナーです。また絵本作家のかこさとしさんの「遊びを追求する子どもたち」というお話には、遊びから生まれる言葉のおもしろさ、不思議さ大切さを教えられました。各界の先生方の絵本や子どもの育ちについてのお話には、子どもの環境の大切さや絵本の持つ力の大きさを改めて感じさせられました。
 絵本は子どもの成長の過程に無くてはならない環境だと思っています。そのことを教えてくれる『絵本フォーラム』を沢山の人に読んでほしいと思うと同時に、これからも楽しい記事を載せて下さることを期待しています。
★子育てと絵本の思い出★
早島町立図書館 館長・渡部 秀人さん(早島町)


 私と絵本との出会いは、子育ての時代に遡ります。以前、私がまだ民間企業に勤めていた頃、東京出張の時は必ずといっていいほど子どもにおみやげを買っていました。
 ある時、今度のおみやげは絵本にしようと心に決め、東京駅近くの本屋に立ち寄り、『ぐりとぐら』(なかがわりえことおおむらゆりこ、福音館書店、1963年)を購入しました。何故この絵本にしたのか、その理由をはっきり思い出すことはできませんが、子育てに役立てたいとの思いがあったことは間違いのないところです。
 子どもはこの絵本が大変気に入り、繰り返し一緒に楽しみました。「このよで いちばんすきなのは おりょうりすること たべること ぐりぐら ぐりぐら」このリズム感のある言葉は覚えやすく、特に「ぐりぐら ぐりぐら」の所は子どもも面白がって、私の抑揚と表情をよく真似たものです。そして、大好物の大きな「かすてら」が出来上がるプロセスは、子どもを魅了しました。
 その後、『しょうぼうじどうしゃじぷた』(渡辺茂男さく/山本忠敬え、福音館書店、1963年)、『とこちゃんはどこ』(松岡享子さく/加古里子え、福音館書店、1970年)を購入しました。この2冊も子どものお気に入りとなりました。小学校の高学年になって購入したのは、『海』(加古里子ぶん/え、福音館書店、1969年)です。これは、親子で自然を楽しむきっかけ作りに役立ったと思っています。子育ての時代に使用した絵本のなかで特に印象に残っているのは以上の4冊です。これらの絵本は、二十数年を経た今も多くの人々に読み継がれ、「成人式を終えた絵本」となっています。
 時を経て、早島町立図書館のリニューアルオープン(町制施行百周年記念事業)に携わることとなり、子どもたちと絵本の世界を共有するようになりましたが、わが子と絵本を楽しんだ頃のことを思い出し、不思議な縁(えにし)を感じています。最近、少年がかかわった犯罪が多発し憂うべき事態となっていますが、こうした時代だからこそ絵本フォーラムが果たす役割は一層重要になってくるものと思います。絵本フォーラムの輪が、さらに広がるよう願っています。
★かがく絵本も楽しい★
福音館書店 書籍編集部長・大和 茂夫さん


 最近「かがく絵本」を読みましたか。「かがく」と名前がつくと、何だか難しそうと尻込みをされる方がいます。園や学校の科学教育、理科教育の副読本と考えている人や、「ためになる本」「役に立つ本」が「かがく絵本」と考えている人がいます。でも、「かがく絵本」でいちばんたいせつなのは「物語絵本」と同じく楽しさです。
 子どもは本来好奇心旺盛で、何にでも興味を持ちます。子どもの好奇心や興味をどれほどかきたて楽しませるか、面白がらせるか、また、その世界にいざなうかが、「かがく絵本」の評価を決めます。「かがく絵本」を読んだことのない方は、まず、食わず嫌いを返上して「かがく絵本」のページを開いてください。そして楽しいと思った本を子どもたちに読んであげてください。「かがく絵本」をきっかけに、自然の中に出かけたり、遊びをはじめたり、または、何かに目を向けるようになったりすればいいなと思っています。
★知的好奇心を満たす絵本★
フレーベル館 環境・出版事業局 営業部長・橋爪 博幸さん


 子育て支援ネットワーク『絵本フォーラム』創刊4周年、第30号を迎えられましたこと、心よりお慶び申し上げます。
 「子どもたちが健やかに、自由にのびのびと生きられ、豊かな子ども時代を体験していく中で、新しい世紀を担える英知ある人間に成長して欲しい」との願いのもとに、さまざまな環境づくりに邁進している御社に深い敬意をささげます。また、平素は私どもの児童書を多数、お取り上げいただきますこと、厚く御礼申し上げます。
 弊社も、21世紀を生きる子どもたちが、心身ともに健やかに成長を遂げることを願い、出版物や遊具の製作、空間デザインなどの提案を行っております。今後とも、子どもたちの健やかな成長と知的好奇心を満たす多様な本づくりをしてまいる所存ですので、倍旧のご厚情を賜りたくお願い申し上げますとともに、ますますのご発展をお祈り申し上げます。
★いい新聞、いい絵本、いい笑顔★
文溪堂 図書出版グループリーダー・斉藤 由美子さん


 創刊4周年、おめでとうございます。『絵本フォーラム』の創刊以来、ひとくちで30号と言いますが、きっと紆余曲折があったことと思います。家庭・地域への読者の輪を広げる媒体として、これからも頑張って発行をしていただきたいと願っています。この場をお借りし、改めてお祝いを申し上げます。
 世間では、子どもたちの悲しい事件がたくさんおきています。これらは、われわれ大人の責任が多大と痛感しています。豊かな心をもった子どもたちを育てるには、たくさんの本と触れ合うことが大切であり、まさしく絵本は親と子の心を結ぶかけ橋です。
 当社においては、昨今、特に命と平和と自然の大切さをテーマにした作品や今日的な社会問題などを取り上げた作品を中心に発行しています。
 「いい新聞、いい絵本、いい笑顔」この合い言葉で、これからもお互いにがんばりましょう。

★これからも熱い気持ちで★
文研出版販売  部長・嵯峨 洋輔さん


 30号の発行おめでとうございます。一口に30号というけれど、この数字なかなかの代物で、いつも主張をする数字なのです。
 一例をあげれば、プロ野球の選手は3割・30本・30盗塁…と、30という目標をもって邁進しますが、これを実現させるのは至難の技のようです。そんな大変な偉業をなんなくクリアーした『絵本フォーラム』に激励のメッセージを! ということですが、逆にこちらが元気付けられるというのが本音です。
 ほるぷフォーラムの願いをポリシーに発行される『絵本フォーラム』は、毎号いろんな人がいろんな視点で本気になって語り合っている、本物のネットワーク情報紙です。読書の低調さがとやかくいわれる今日、絵本・子どもの本に関しては、右肩上がりでその機運が高まっていることにも貢献されています。
 確かに30号は一つの区切りといえますが、区切りを意識せずに、これからも熱い気持ちで発行を続けられることを切に願っています。
★情報交換の広場として★
ペンギン社 総務・轟 佳子さん


 『絵本フォーラム』創刊4周年、おめでとうございます。
 四面をびっしりと埋めつくした、絵本と子育てについての文章をいつもじっくりと拝読させていただいております。
 特に一般読者の方の投稿欄、「わたしの絵本体験記」は興味深く、読む度に温かい気持ちになります。
 子どもたちをとりまく環境があわただしく変化し、大切なことを見失いがちな昨今ですが、『絵本フォーラム』は様々な立場で子どもや絵本に関わる大人たちが、情報を自由に交換できる一つの“広場”として重要な役割りを果たしているのでは…と感じております。
 これからも、さらに内容に磨きがかかり、読む側にたくさんの問題を投げかけていただけますことを、期待しております。
★祝30号。50号期待します★
ほるぷ出版 常務取締役・図師 尚幸さん


 30号になるのですね。ワープロ手づくりのB4判1ページの創刊号が不思議に記憶に残ります。現在のタブロイド4ページに落ち着くまで幾度かの変化を伝えていただきましたが、創刊1、2号時の編集子の想いは変わっていませんね。子育て中の親たちへの熱いメッセージに子どもたちへの希望が基調に流れていてホッとします。50号到達をつぎに期待してお祝いとします。

★絵本のシャワーをたっぷり★
ママズケア 主宰・南田 理恵さん(宝塚市)


 空高く澄んだ秋に、30号を迎えられること、おめでとうございます。毎号、子育てや、親自身の生き方について考えさせてくださる内容で、心が晴れわたるようです。
 私は開業助産師として『ママズケア』を立ち上げ、妊産婦さん、赤ちゃん達に喜んでいただけるように、特に親子の触れ合い「タッチケア」が、子どもだけでなく、親の心も育て、子育てが楽しくなることを伝えたいと仕事をしています。
 「いいお産」をしておっぱいをあげて、ベビーマッサージやわらべ歌で育てることに、絵本を添えてあげてほしいと願っています。子育ては体験による伝統であるとも言われています。絵本のシャワーをたっぷり浴びたあたたかい心の子どもたちが、次の世代へ伝えていってくれたらいいなと思っています。ほるぷフォーラムが、これからも、絵本の良さをたくさんの方に伝えていってくださることを祈ります。
★毎日の生活に定着した絵本★
三沢愛子保育園 園長・小檜山 準子さん(三沢市)


絵本フォーラム30号おめでとうございます。
 子どもたちにより良い環境をと願い、絵本や積木などほるぷフォーラムにはいろいろと紹介いただき、おかげさまで少しずつ充実してきました。
 保育園では絵本は毎日の生活の中に定着していて、にぎやかな園生活のなかにあって、保育士と子どもたちとが心静かにふれあうことのできる貴重な時間であります。この瞬間に心がぐんぐんと成長しているのだと思うと、感慨深いものがあります。
 先日、園で読み聞かせした本を紹介するコーナーを作ったところお母さん方に好評で、絵本を手にとりながらご家庭での様子を話してくれたり、読み方や絵本の選び方を相談してくる方もいました。これからは、絵本と子育てについて悩むお母さん方に「絵本フォーラム」を紹介してみようと思います。
 今後とも、絵本フォーラムの輪がどんどん大きくなっていくことをお祈りしております。
★未来の創造者へ送りたい★
門田報徳保育園 園長・遠藤 浩平さん(会津若松市)


 「豊かな感動体験をとおし、感性豊かな人間として成長すること」これが、保育園での合い言葉です。子どもだけでなく、大人も共に感性を磨くことが出来ればとの願いも込めての目標であります。
 いい絵本に出会い、感動を覚えることは、テレビやビデオの効果とはまったく異質なものであり、その絵や文章から限りない想像力を膨らませページをめくるたびに新たな発見が出来る最高の教材であると考えます。知識を求めることも、物語の主人公になることも、さらに生活の中での道徳も含めて、あらゆることを様々な絵本が教えてくれます。
 感性を磨くため、子どもと共に絵本を読むことをお勧めします。大人が失った素直な感性に気づくことが出来るからです。気づくこと感じることは、知識や知恵の土台となるものだからです。
 これからも、絵本の魅力を多くの人に理解して頂いて未来の創造者である子どもたちを感性豊かにしてあげて欲しいと思います。
★一歩づつ、前へ…★
山口芸術短期大学 非常勤講師・松本 眞也さん


 『絵本フォーラム』30号の発行に当たり、心からお喜び申し上げますとともに、藤井勇市代表始め関係各位のこれまでのご努力に対して深甚の敬意を表したいと思います。
 また、さらには昨今の青少年犯罪の増加・凶悪化を目の当たりにするにつけ、『絵本フォーラム』の関係者が目指してこられたような活動が、今後ますます重要視されなければならないと考えます。“青少年問題の根本原因のほとんどは大人にある”と言っても過言ではないと私は考えますが、さし当たっての対応策としては“子どもたちに対する教育の見直し”以外には考えられません。大らかな心・こまやかな情緒・豊かな想像力をもった子どもたちを一人でも多く育てることです。“読み聞かせ・読書”の力は大きいと思います。昨今の風潮を嘆くばかりでは何の解決にもなりません。絶好のチャンスととらえて、一層の努力を続けたいものです。
 『絵本フォーラム』のますますのご発展を心からお祈り申し上げます。
★美しい母語であるために★
ラ・ポール前原 館長・古川 マサエさん


 先日、札幌に住む長男のところから、「お母さん、読みましたよ」と電話。絵本フォーラムは北海道でも読まれているんですね。電話のこちら側で顔赤くしながら、一方で、着実に絵本を楽しむ仲間を増やす活動を続けられているほるぷフォーラムに敬意を表したいと思いました。
 さて、宣伝会議刊の『人間会議』7月号別冊は「ヒューマニズムの原点母親を通して世の中を考える」という特集を組んでいて、その中で、今道友信氏の文章が目にとまりました。
 「ヒューマニズムの立脚点は、言語で相互の幸福を高めるところにある。言語の基礎は母や母の代理者から最初に口伝えに習う言語(母語)の教育にある」と。
 その最初に口伝えに習う言語が、お互いの幸せを高め合う美しい正しい言葉であるために、絵本が担う役割は大きい。そのために、絵本の新しい送り手と受け取り手の掘り起こしを願ってやみません。
★蘇る思い。感動を共有★
理論社 係長・関口 康二さん


 名作を前にすると読んだ時代の空気が蘇る。夏の匂い、扇風機の前に陣取ってページをめくった子どもの頃。さしずめ今は、クーラーの風か。それでも月日が経ち、今の空気が胸に蘇ると思うと捨てたものではない。
 絵本フォーラム30号おめでとうございます。会うことのない人たちが、感動を共有するために本を薦めあう彩りの紙面が、これからもますます充実していく…。そういう“今”という時代は、やはり捨てたものではないと、あらためて感じました。今後も楽しみにしています。


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