「絵本フォーラム」第42号(2005.09.10) |
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『おじいちゃんがおばけになったわけ』 (キム・フォップス・オーカソン/文 エヴァ・エリクソン/絵、菱木晃子/訳 あすなろ書房) エリックが祖父の死を受け入れるまでを描いた作品。エリックのおじいちゃんは亡くなった後、エリックの目の前におばけとして出てくる。それはおじいちゃんがこの世で忘れ物をしたからだということがわかる。二人は毎晩、忘れ物を捜し続けるが、最後におじいちゃんがエリックに別れを告げていなかったことに気づく。 |
『リリィのさんぽ』 (きたむらさとし/作、平凡社) リリィとこいぬのニッキーがロンドンの町をお互い異なった体験をしながら散歩する様子をユーモラスに描いた絵本。リリィは日没を楽しみ、買い物をし、星空を見上げるが、ニッキーは、木の中に潜むおばけや、郵便ポストが歯をむいている様子や、用水路からネッシーが飛び出してきている様子などに気付く。 |
『おがわのおとをきいていました』 (スズキコージ/作、学習研究社) はなめんちゃんが、裏庭の小川を勇気を出して渡る様子を描いた絵本。小川ではきりぎりすや、とのさまがえるや、ふなたちが、はなめんちゃんを見守り、何とか成功したはなめんちゃんは、小川の音に耳を傾ける。短い時間の少女の心の動きが構図のおもしろさと筆のタッチによって伝わってくる作品。 |