おすすめ絵本
「絵本フォーラム」第26号(2003.1.10)








『ひとりぼっちのタツノオトシゴ』
(サクストン・フライマン+ユースト・エルファーズ作、ちばしげき訳/小峰書店)

 「わたしは、ひとりぼっち」と泣いているタツノオトシゴを、2ひきのカニと3びきのハリセンボンと4ひきのロブスターと5ひきのウミガメなどの海の生き物が勇気づけます。この絵本のおもしろさは、海の生き物がすべて野菜でできていること。特に、バナナのイルカとショウガのロブスターは目のごちそうです。
=3歳以上(本体1300円)

『ザガズー じんせいってびっくりつづき』
(クエンティン・ブレイク作、
谷川俊太郎訳/好学社)

 ある幸せなカップルに届いた郵便物はザガズーという名札を付けたかわいいピンクの生き物。ところが、ザガズーは、はげたかのあかんぼう、象、イボイノシシ、おこりっぽい恐竜や奇妙な毛深い生き物につぎつぎと変身します。子育て期から老いるまでの夫婦とその子どもの様子を皮肉とユーモアを込めて描いた絵本。
=4歳以上(本体1500円)







『かえるの平家ものがたり』
(日野十成 文、齋藤隆夫 絵
/福音館書店)

 源氏沼のほとりの千年杉の下に住むがまじいさんが語るのは、かえると平家猫の戦いの物語。平家猫に退却を迫られた一万匹のかえるたちの中から、うしわかまるが飛び出し、はすの葉の上に座って平家猫をからかう。大きな画面に、鎌倉時代の衣装を着けたかえるの群集と大きな猫の日本画風の絵が展開されて迫力満点。
=5歳以上(本体1500円)

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