絵本講師養成講座

報告者
加藤美帆
芦屋3期
加藤美帆

第5編 ~ 絵本講座をやってみよう ~

2016年12月17日(土)CIVI研修センター新大阪東
主催:NPO法人「絵本で子育て」センター
協賛:アリス館・岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・福音館書店

司会 加藤美帆 「絵本講師・養成講座」第5編は2016年12月17日(土)、CIVI研修センター新大阪東で開催されました。
暖かい日和で、年の瀬とは思えない一日でした。

 午前は片岡直樹先生が『テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している』と題しご講演。

  母親と子どもが一緒に遊び、母親を真似て発する言葉「話し言葉」こそが子どもにとって非常に大切なことで、絵本の読み聞かせはその行為をしていることであり、こういった母親との応答環境が何よりも大事であると語られました。

 別府真琴氏の著書『なぜ自閉症になるのか』を紹介され、話ことばと読みことばの相違についても触れられま講演 片岡直樹氏した。「おもちゃなどなくても、言葉があふれた家庭で生活していくことで、子は豊かに育つ」と自身の臨床経験を基に本当に大切なことを私たちに投げかけてくださいました。

 そのなかでも「赤ちゃんの神経回路は親が作るものであり、模倣とスキンシップが大切」というお話が鮮明に私の頭に残りました。テレビ、ゲームはいけないと言うだけではなく、実践研究から得られたことを私たちに熱く伝えてくださいました。子ども自身の失敗・欠乏体験もなくなっている現代、手をかけるだけではなく見守る姿勢など、より深い子育てについて考えるきっかけになりました。

講演 森ゆり子

 午後からは、森ゆり子理事長の絵本講座です。優しい語り口調に受講生全員がお話に引き込まれていきました。子どもを丸ごと受け入れることとして『いいこって どんなこ?』を読まれ、「あなたは大切な子」ということを伝えていくことの必要性を、世の中のニュースを交えながらお話くださいました。「絵本を読むことで、なにかが生まれてきますよ」「絵本の読み聞かせは人が人であろうとする行為であり、痛み、辛さ、悲しみ、楽しさなど絵本を通し感じる心を育ててほしい」とおっしゃったことに深く共感いたしました。

  「絵本は子どものためではなく読み手にもたくさんの気づきを与え、読み手の心も育てるものである。絵本を子育ての味方に!」、最後の言葉に皆が同じ気持ちで頷き合っていました。 講演 藤井勇市

 午後の特別講義として、藤井専任講師による「絵本講師としての心構え」について、いい絵本講師とは? というなんとも難しいテーマでのお話がありました。

 それは「いい絵本講師とは何かについて考え続ける人」と。学びを深め疑問を持ち前進していくことが自分自身も絵本講師としても大人としても重要である、ということを痛感しながら聞き入っておりました。また与えられたものをただ鵜呑みにするのではなく、自分の考えを持つメディアリテラシーについても話され、日常では深く考える機会がないことについて考えるきっかけを得ることができました。

グループワーク 

大長咲子副会長より「はばたきの会」の説明があり、グループワークでは今後の活動に対しいろいろな意見も飛び交っていました。

 

 

 

 


 いよいよ次回は13期の閉講式となります。受講生の皆様がどのようなお気持ちでどのような表情でお越しになられ最終講座を学ばれていくのか、いまからワクワクしております。
(かとう・みほ)

 


会場風景

(会場風景)

第13期「絵本講師・養成講座」
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