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報告者
東京6期生
中村 知子
開講式   〜 絵本について 〜
2013年5月25日(土) 飯田橋レインボービル
主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・福音館書店・ほるぷ出版・理論社

 5月25日、私は久しぶりに飯田橋駅に降り立ちました。第9期の修了生が羽ばたいていった2か月前、ちょうど満開だったという皇居外濠の桜は、葉を青々と茂らせ迎えてくれました。
節目となる第10期の「絵本講師・養成講座」。東京会場の飯田橋レインボーホールには、新しい受講生が爽やかに挨拶しながら訪れ、少し緊張した面持ちで受付けをされました。
今期の参加者は、関東と長野・新潟から集まった受講生42名、特別聴講生6名です 。

静まり返り緊張がピークに達しそうな雰囲気の中、司会の田中潤さん(東京7期)のやわらかい声が広がって開講式がスタートしました。
まず、NPO法人「絵本で子育て」センター森ゆり子理事長からご挨拶がありました。
続いて、ジェリー・マーティンさん(東京8期)の祝辞です。ジェリーさんは、ご自身の2年前の受講を振り返り、『ももたろう』に擬(なぞら)えてお話されました。
一人、不安だらけで冒険をスタートしたこと。しかし、講座を重ねていく内に、キビ団子がいっぱい入った袋と同じくらい新しい絵本に出会え、沢山の仲間も出来たこと。そして、『安心して鬼ヶ島行きの船に乗ってください。自分を信じ進んで行けば、立派なハッピーエンドが待っています!』と、ひと言ひと言、丁寧に話されました。絵本講師の鏡とも言えるその真摯な態度に胸を打たれたのは、私だけではなかったと思います。お話を終えられ、着席されたジェリーさんからは思わず「フゥー」と溜息が……。すると、会場からは笑いが起こり、一気に和やかな雰囲気になりました。ジェリーさんのお蔭で、受講生の皆さんも緊張が解れたことでしょう。

更に、北素子さん(東京2期)、岡部雅子さん(芦屋2期)、関東地区理事の山中光江さんと、大先輩の絵本講師から、心の込もったお祝いメッセージが贈られました。
そして、長年、受講生が一歩を踏み出す瞬間に立ち会ってくださっている、太陽出版の籠宮敏治様からも激励のお言葉を頂戴しました。

開講式の後は、机を移動して初顔合わせとなるグループワークです。
私がサポートに入らせていただいたグループは、リーダーもサブリーダーも立候補ですぐに決まりました。自己紹介をしたり一緒に昼食をとったりしている内に、皆さんの距離が縮んでいく様子が窺えました。

 午後は、松居直氏の記念講演が行われ、受講生の眼差しが更に熱くなるのを感じました。
ご自身のホワイトクリスマスの甘い想い出や、御母堂が息を引き取られた時のエピソードなど、貴重なお話と共に、人、言葉、絵本などについて様々な観点からエネルギッシュに諭してくださいました。90分、あっという間に講演が終わると、拍手喝采が沸き起こりました。立ち上がる人もおられた程でした。
記念講演の後は、藤井勇市専任講師から「絵本講師・養成講座」の学び方などのお話があり、最後に、再びグループワークが行われました。
課題リポートの用紙を手に、不安を少しでもかき消すかのように、疑問点や取組み方について話し合われる受講生たち。
4年前の同じ日、私は絵本に関する知識を全く持たずに、ここにやってきてしまいした。
あの日を思い出すと、今でも胸が苦しくなります。でも、無我夢中に取り組んだ1年は、のろい歩みながらも確実に前に進めた1年でした。
志の高い第10期の受講生の皆さんに刺激を頂きつつ、また新たな気持ちで、あと5回大切に学びを深めていきたいと思います。(なかむら・ともこ)

第10期「絵本講師・養成講座」
★芦屋会場リポート 第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編
★東京会場リポート 第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編