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報告者
芦屋5期生
中村 よしみ
閉講式

2010年02月20日(土) ラポルテホール

主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・ほるぷ出版・理論社
特別協賛:ラボ教育センター

 冬から春へと空の色が柔らかくなり始めた 2 月 20 日、第 6 期「絵本講師・養成講座」芦屋会場の閉講式が修了生 78 名、来賓に梅田俊作・佳子先生ご夫妻、こぐま社の吉井康文社長らをお迎えして芦屋ラポルテホールで開催されました。
  いつになく厳粛な雰囲気ではありましたが、会場に梅田俊作・佳子先生の新刊絵本『おかあさんもようちえん』(絵本講師の会・企画制作)の原画が展示され、あたたかさに包まれた中で閉講式は進められました。

 修了生の皆様は、はじめ少し緊張した面持ちでしたが、森ゆり子理事長からグループの代表の方が修了証書を受け取られた後のきりりとした表情がとても輝いて見えました。
  そこには、一つのことを成し遂げた達成感や満足感が大きな自信となって溢れていたからだと思います。いつも森理事長が言われる「回を重ねるごとに美しくなる」所以が、ここにあるのですね。

 理事長は「毎年同じことを話しているが、学びが深くなればなるほど人は美しくなっていきます。
それは内面に蓄えたものが表に出て輝くのですね。本講座で学ばれたことを、自分のできることから開始していただきたい。皆様のご活躍を心から期待しています」とお祝いの言葉をおくられました。

 修了証書授与式後の全体講評として藤井専任講師は「熱意の溢れる作品が多かった」と話され「読み聞かせは、子どもに何かを教え込むものではない。読み手と聴き手が心を通わせ、共通の記憶を紡ぐ場(空間)」と原点を押さえられた上で、「学べば学ぶほど疑問が自分の前に立ち現れてくる。それが更に学びを駆動する」と結ばれました。これは、今日の修了式が終わりではなく新しいスタートであるということ、絵本講師として謙虚に学び続ける気持ちを忘れないことなのだ、と肝に銘ずる思いでした。

 来賓祝辞として本養成講座 1 期生の井下陽子さんは「失敗を恐れず第一歩を踏み出すこと、というより失敗してください。失敗しても大丈夫。我われ仲間が待っています」と励ましのエールを送ってくださいました。

 続いて、絵本講師の会(はばたきの会)副会長の舛谷裕子さんは「小雨降る肌寒い日に梅林に行った。梅の蕾は固かったが、春を待つ姿が凛としていた。やがて花開き、秋には梅干や梅酒となって人々に恵みをもたらしてくれる。修了生の皆様も、この社会の中で存在感のある人(絵本講師)になっていただきたい」と呼びかけられました。

 ママズケア主宰の南田理恵氏は、ご自身が助産婦をしておられる立場から「この講座の内容を産婦人科や小児科へも広めていってほしい」とお話くださいました。

 こぐま社社長の吉井康文氏は「ゲームやケータイに熱中するあまり、家庭内で肉声が消失している現状を目の当たりにして、だからこそ絵本の果たす役割が大きいことを痛感する」とお話いただきました。

 最後は特別にご臨席いただいた梅田俊作氏。

 「はじめて、<絵本で子育て>と聞いたとき、なんともおかしな団体があると思った。何回か講師として参加して、ようやく講座内容を理解し、このような活動こそ今日的な意味があることを知った。皆さんもはばたきの会に入会して活発に絵本に関わる活動をしてほしい。自宅の前に広大なプールを持っている。夏にはそろって遊びに来てほしい」。

 当日ご臨席いただく予定であった籠宮敏治氏(現太陽出版、元岩崎書店営業統括)からは修了生にあたたかなメッセージが届けられ、司会が代読しました。ご来賓の皆様からおくられたさまざまな言葉は、修了生の皆様の心に響いたことはもちろんですが、聴講生としてこの 1 年を過ごしながら一歩どころか半歩も踏み出せずにいる私にとっても、背中をポンと押されたような気持ちになりました。

 午後は「子ども時代の必須科目」と題して、梅田俊作先生の講演です。

 先生は「本を読む前にとことん遊べ!」と声を大にして言われました。子どもは遊ぶという実体験に基づいて生きる力を養っていく。本に書いてある知識だけでは通用しないのだということを力説されました。

 遊びの中からはいろんな分野のリーダーが生まれてくる。あれもこれもできないけれど、これだけはできるというものをもっている、というお話が印象的でした。また、新刊『おかあさんもようちえん』の編集には、絵本講師の会も一役買ったと言うエピソードも披露されました。絵本が手元に届くのが楽しみです。

 講演の後、 2 グループに分かれて記念撮影がありました。もちろん、梅田先生ご夫妻も修了生と一緒に記念写真に入ってくださいました。

 撮影に引き続き、懇親茶話会が加藤美帆さん(芦屋 3 期生)の司会で開催されました。

 本講座の講師の先生・とよたかずひこ氏、飫肥糺氏らや協賛出版社・関連会社などの祝電披露の後、各グループの代表の方から、本講座に対しての「感想発表」などがあり、会場は歓談や記念撮影などで大いに盛り上がりました。

 皆さんの感想を聴きながら「ああそうだ。私もそうだった」と昨年の自分の姿を重ね合わせて胸が熱くなりました。講座のたびに自分を見つめなおすきっかけができ、自分を高めることができたと言う方。グループの皆に会えることが楽しみだったと言う方。年齢も職業も違うけど、絵本を通じて仲間意識が深まったと話される方。この会に参加することで周りや家族に感謝する気持ちが生まれたという方…。

 それぞれ表現は違いますが、これらの思いは全て「人と人とが繋がることの心地よさ、大切さ」に通じるのではないでしょうか。そして、これこそが絵本講師として伝えていくべき根っ子の部分であると思います。同じ志を持った人がこんなにいるのですね。

 楽しい時間は瞬く間に過ぎていきました。また、きっと再会できる日があることを楽しみに思いつつ帰路に着きました。(なかむら・よしみ)

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