街に緑の息吹があふれる季節となりました。 2009年5月16日、第6期「絵本講師・養成講座」(東京会場)開講式のこの日は、少々肌寒さを感じる天気ではありましたが、一歩会場内へ入りますと受講生の方々の期待に満ちた熱い思いがひしひしと感じられ、羽織っていた上着をカバンにしまい席に着きました。
ちょうど1年前、目の前の受講生の方々と同じように、期待と緊張に胸をふくらませておりました。専業主婦になって3年目の、久しぶりに味わう心地よい緊張感だったのを鮮明に思い出しておりました。目の前のみなさんに「これからステキな時間が待っていますよ!」と叫びだしたいのをぐっとこらえ、高まる気持ちを胸に聴講生として自分も楽しもうと誓っておりました。
開講式、森ゆり子理事長の挨拶からスタートです。今年の第6期には男性の受講生の方、そして芦屋で抽選に漏れてしまわれたがどうしてもこの6期に参加したいという思いで、東京会場に参加された方を含む55名の方々に激励のお言葉をいただきました。
受講生の方々は、真剣な表情で森理事長の顔を見つめ、言葉一つ一つをかみしめて聴かれていたように思います。
そして、絵本講師の中村利奈様(芦屋2期)、関東地区理事の山中光江様、岩崎書店の籠宮敏治様、ラボ教育センターの木村智様らより激励とユーモアを交えたステキなアドバイスをいただき、受講生の皆さんの張りつめた真剣な面輪に笑みがこぼれる場面も多々見られました。
開講式が終わり、引き続き7つのグループに分かれて、自己紹介とリーダー・サブリーダーの選考をいたしました。森ゆり子理事長の「この講座を真剣に受講された方は、みなさん美しくなります」という言葉通り、輝き美しく変身した特別聴講生6名も各グループに一人ずつ加わりました。
私は昨年の経験から「恥ずかしいな、どんな方たちが集まっているだろう、どうやってディスカッションを進めるのかしら」と躊躇し手探りの時間はできるだけ短いほうがいい。
できれば初めから意気投合してグループとしての成果・・いえ沢山のステキな思い出を作って欲しいとお伝えしました。しかし、そんな言葉は全く無用!皆さん何らかの形で絵本に係るお仕事や活動をされており、先ほどまで見ず知らずの他人同士だったとは思えないほどあっという間に話がふくらみ、お互いの歩んで来られた絵本の話に花が咲いて、リーダー選出なんてそっちのけで楽しまれていました。この時も「絵本はすごいな。初対面の人でも話が尽きなくなる世界なのだな」と感動いたしました。
午後からは中川正文先生の講演です。
昨年お会いした時とお変わりなく、ユーモアたっぷりの中にも、今の世の中や子どもたちを取り巻く社会の環境に対する真剣で厳しいお話もいただき、これからの私たちの使命がとても大切なことであると感じることができました。
そして中川先生の最新作『きつねやぶのまんけはん』(画・伊藤秀男)はそんな希薄な世の中に一石投じるかのような先生のお気持ちが込められているように感じられました。
最後は『すみれ島』の朗読で締めくくりです。中川先生の深い、深い語りに会場の中は涙が止まらない受講生の方々が目を押えながら聴き入っていました。
最後のグループワークショップ、そして藤井専任講師の「絵本講師・養成講座」の主旨等のお話があり「まだまだ時間が足りない、もっと聴きたい、もっと話し合いたい」と思わせる第1編も時間ぎりぎりまで使い、終了を迎えました。
昨年、私は次の講座が待ち遠しくて、待ち遠しくて仕方がなかったのですが、第6期の皆さんもきっと同じ気持ちで、第2編を楽しみに帰路に着かれたことと思っております。(だいごう・ようこ) |