第4期生として講座を受けていた 1 年前、松居直先生の講座をそれは楽しみにしていました。
松居先生は、娘が幼稚園からもらってくる福音館書店の「おすすめ絵本」という小冊子にコメントを寄せられていて、まさか、そのご本人にお目にかかれるとは、その頃思ってもいなかったからです。その先生に、昨年に続き今年もお目にかかれたことは大変光栄でした。 先生は、昨年同様、お年を感じさせぬほどお元気でいらして、冗談も交えながら実体験通してたくさんのお話ししてくださいました。
絵本との出会いは3歳の頃、母親が読んでくれた『こどものくに』だったというお話は昨年もお聞きしましたが、商家で日中忙しくしていた母親が、唯一自分の為につくってくれた時間が寝る前の本読みだったこと、そして、そのことが今の職業に大きく影響したということに改めて絵本の力を感じさせられました。敢えて口にはされませんでしたが、母親に絵本を読んでもらった喜びがひしひしと伝わってきました。
そして、「絵本は読み手の物、子どもたちは楽しかった本を読んでくれた人のことを覚えている」という言葉にはとても共感しました。私自身も母に読んでもらったことの記憶があり、現在娘に絵本を読みたいという気持ちになるからです。
また、先生は、その絵本はどう表現されているかを考え、その背後にある文化などについても知ること、つまり「子どもに絵本を読む前に大人が絵本のことをよく知る」ことが大切だとお話しされました。
例えば、『三びきのやぎのがらがらどん』(福音館書店)は七五調になっていることから、日本の調べ(日本語の特色・本質)がよく表現されていて、生きた言葉として子どもたちに受け入れられていると。
先生は、実際に指折りしながら、「むかし、三びきの やぎがいました。なまえはどれも がらがらどんと いいました」とお話ししてくれました。見事に七五調になっていたので、会場では「お〜!」という歓声が湧きました。
他にも、石井桃子さんが翻訳された『うさこちゃん』(福音館書店)の訳には生活感があること。『おおきなかぶ』(福音館書店)の「うんとこしょ、どっこいしょ」の言葉の響きなどを挙げてくださいまし
昨年同様、いや昨年以上に多くのことを習得し、非常に満足した講座でありました。 午後のグループワークは、普段より多く時間をいただけたことから、どのグループも様々な意見が出ていたように思えました。
私が担当したグループは、職種・年齢層は様ざま、すでに読み聞かせ経験のある方もおられましたが、皆さん非常に勉強熱心で、昨年の自分もこうであったかと振り返ってみました。
今回は、絵本講座の基礎課程から応用課程へと移り、いよいよ「絵本講座の組み立て方」ということで、修了レポートの基礎になるものと皆さん真剣に意見交換をされていました。
また、修了レポートとはいかなるものかと皆さん不安そうで、昨年の我が身が思い出されました。でも、こうして無事修了出来たので、皆さんには「大丈夫ですよ、頑張ってください」とエールを贈りました。
一生懸命な皆さんを見て、私も頑張らなければ!と我が身を奮いたたせる良い機会でありました。 (よしだ さちこ) |