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報告者
東京4期生
金井 ミヨ子
開講式   〜 絵本について 〜
第1編
2008年5月17日(土) 飯田橋レインボービル
主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・ほるぷ出版・理論社
特別協賛:ラボ教育センター

 新緑のすがすがしい 5 月 17 日(土)、第 5 期「絵本講師・養成講座」東京会場の開講式、第 1 編の講座が開催されました。
  緊張と期待を胸に 51 名の受講生と 6 名の特別聴講生が会場の飯田橋レインボービルに集いました。
受講生の中には「芦屋会場の抽選に漏れ、当会場に参加した」とおっしゃる熱心な方もおられ、会場は爽やかな熱気に包まれていました。

開講式では、まず主催者を代表して NPO 法人「絵本で子育て」センターの森ゆり子理事長があいさつ。
  森理事長はいつもながらの穏やかな口調と笑顔で会場の張りつめた雰囲気を和らげながら、本講座の趣旨、 500 名に及ぶ修了生の「絵本講師」としての活躍の様子などについて述べられ、更に「真剣に学ぼうとする姿勢は人をこんなにも美しくする」とユーモアを交えながら特別聴講生(第 4 期修了生)を紹介。 
  森理事長からのさりげないエールに受講生はより一層士気を高めたようでした。

 続いて、日頃より本講座に多大な尽力をいただいている 5 名の方々からご祝辞をいただきました。
東京会場 3 期生の小笠原みちよ氏(絵本講師)は、「友達づくり」「情報交換」「知識を高める」の 3 つの目標を持って参加したこと。良い学びの場に自分自身を置くことのたいせつさを語ってくださいました。 受講生に「はじめの一歩」と、声かけされた言葉は心に沁みるものがありました。

 山中光江関東地区理事からは、講座終了後「絵本講師」として活動することへの期待と激励を自身の言葉に託され、その温厚なお人柄に受講生のみんなが親しみを感じられたようです。

 本講座の特別協賛・ラボ教育センターの中尾等氏(企画推進局)は、「深く心にしみこむ言葉」「言葉が子どもの未来をつくる」と言葉のたいせつさについてお話をいただきました。

 鈴木出版の波賀稔編集長は、ご自身が本講座東京会場の第 2 期生であり、当時の受講動機や、今なお続いている絵本に対する深い思い、また、「絵本講師」としての活動にも触れられ、「絵本を読み語っていくこと、伝えていくこと」のたいせつさを熱く語られました。
  編集者としてのお立場から「絵本を伝えるときのことを考えて出版している」との言葉に「絵本講師」の果たす役割の重大さを痛感しました。

 最後は作家であり大阪国際児童文学館名誉館長・中川正文氏からのご祝辞です。
「絵本を読む前と読んだあとでは、幾ばくか子どもが変わる。つまり、成長していなければならない」という考え方同様、本講座も「来るたびに、今日来た甲斐があった」と思えるような参加をしてほしい。来た時と帰る時の自分について、どれだけ変化したかを継続して見つめなさい。と講座の学び方についても具体的な指針を示してくださいました。
  更に、これから絵本の旅に出る受講生への餞(はなむけ)に、自作の『ごろはちだいみょうじん』(梶山俊夫 / え、福音館書店)を読み語ってくださいました。氏による関西弁の語りは格別で、絵本の持つ素晴らしさを感じるとともに、読んでいただく心地よさに出会えたひとときでした。

 受講生の胸に真綿のようなふんわり温かな余韻を残し、開講式は終了しました。

 開講式終了後は、昼食をはさんでのオリエンテーション。受講生は 7 〜 8 名のグループに分かれ、自己紹介、役割分担(リーダー、サブリーダーの選出)、などを話し合いました。特別聴講生は各グループに参加し、これから 1 年間オブザーバーとしてともに学んでいきます。

 第 1 編講座(記念講演)のスタートは、中川正文氏による「絵本・わたしの旅立ち」。

 良い絵本とは、「・生活空間の拡大に役立つかどうか ・生活課題の解決に資するか ・社会性が身につくか ・精神衛生の働きが出来るか」と前提条件が示されました。その上で「絵本は与えるものではなく、ともに経験を同じくするものである」と絵本に対する基本的な考え方を述べられました。

 最後に読んでいただいた『すみれ島』(今西祐行 / 文・松永禎朗 / 絵、偕成社)は、爆装した飛行機で敵陣に突入する若者の話。絵本は戦争を知らない親や子どもたちに、その実態を理解してもらうため、文章だけでなく生々しい絵を加えることにより、より鮮明により正確に伝えてくれようとするものでした。目を閉じて静かに聴いていると、中川氏のその声の響きが平和への強い願いとして伝わってきました。改めて、命のたいせつさ、平和でいられることへの感謝と喜びが胸をいっぱいにしました。

 記念講演の後は、藤井専任講師による講座の学び方についてのオリエンテーション。受講の心構え、グループワークの進め方、課題リポートの作成方法など具体的な説明がありました。

 最後のカリュラムはグループワーク。主催者側からのワークの課題はなく、各グループが課題設定してのワーク方法。自主性を尊重してのグループワークのあり方に、全員意欲的に取り組んでいました。講座の感想や課題リポート作成のポイントなど白熱した議論が交わされていました。受講生は、別れを惜しみながら次回の講座で再会することを楽しみに帰路につきました。 (かない・みよこ)

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