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2006年4月22日(土)

芦屋市ラポルテホール

〜 第1編リポート 〜 開講式

報告者・高梨香寿子


講座の写真  絵本で子育てすることの楽しさを学び伝える〈絵本講師〉育成のための「絵本講師・養成講座」芦屋会場の第3期開講式が2006年4月22日、兵庫県芦屋市のラポルテホール特設会場で開催されました。(主催:NPO法人「絵本で子育て」センター 共催:ほるぷフォーラム社 後援:朝日新聞社)。
 本講座は、全国から殺到する受講希望者の要望に応えるため、今年度は芦屋・東京、さらに福岡の3会場での開催が決まりました。芦屋会場では約200名の応募があり、抽選で選ばれた80名が第3期受講生となりました。

講座の写真  受講生の希望と熱気に包まれるなか、森ゆり子理事長(NPO法人「絵本で子育て」センター)は、「社会環境が変化し、子育てが厳しくなっている現代、絵本が果たす役割はとてつもなく大きい。本講座でしっかり学んで絵本講師になる皆さんは1年後、今より格段に美しくなっているはず。あちらに座っている特別聴講生(*)のように」、とあいさつ

 ■特別聴講生■(特別聴講生は、第2期修了生のなかから希望者を10名選抜(こちらも抽選でした)。聴講生は事務局と共同して講座運営に参加します。昨年、開講式で〈学んで美人になった先輩〉と紹介されて、恥ずかしそうに起立していた第1期修了生の姿を見て笑っていた者が、まさか今年、同じ運命になるとは!)

講座の写真  続いて、来賓の方たちよりお祝いのお言葉をいただきました。最初に、第1期修了生の濱本香織氏が、「主婦感覚では65000円の受講料は高いと思われるかも知れませんが、1年間学ばれる中で受講料の元を取ることはもちろん、お金に換算できない素晴らしい仲間を作ってください」、と後輩へ温かく力強いメッセージを。
 また、茨城県つくば市から駆けつけてくださった山中光江氏(理事・東京地区)は、「ITが家庭の中に氾濫し子どもたちの読書環境が荒廃している。これからますます絵本講師の担う役割は大きくなる」と激励。絵本講師が全国津々浦々で活動する時、きっと子どもたちの生きる環境は変化する、と思いました。
 南田理恵氏(ママズケア主宰)は、絵本講師としてのたいせつな〈明るい表情づくりのコツ〉と「ママズケアにも絵本講師として参加して欲しい」。
 吉岡豊氏(NAC・取締役)からは、出版社と書店との取り次ぎ業務を担う立場からみた本講座への期待のメッセージをいただきました。
 そして、吉井康文氏(こぐま社・常務取締役)は、今年40周年を迎えたこぐま社は「出版点数は少ないが、読者の支持を得た息の永い作品に支えられてきた」(総出版数227点。昨年度新刊5点)という意外な事実や「最近の〈絵本を早く与えて早く卒業〉の傾向は疑問。絵本に卒業はない!」など、昨今の安易な絵本ブームへの警鐘とも思えるお話をうかがいました。

講座の写真  最後に登壇された中川正文氏(作家・大阪国際児童文学館名誉館長)は、来賓と記念講演「絵本・わたしの旅立ち」のダブルヘッダー。氏は「本講座でさまざまな出会いがあるが、どう別れるかがたいせつ。そのことを念頭に受講を」「絵本を仲立ちとして、共に楽しみ、共に感動を分かち合い、共に成長を」「よい絵本の3つのポイント」「0歳からのブックスタートと言わず、妊娠した時からお腹の赤ちゃんに絵本を読もう」
 執筆活動を始められて60数年の氏は、多くの病気と共生される日々ながら、ユーモアに富んだお話と厳しさの交ざった語り口で、時間を惜しむように溢れんばかりの励ましのメッセージを私たちにくださいました。

 ■参考■(大阪国際児童文学館は、おすすめスポットです。リポート作成時には2階閲覧室へ。家族も1階で絵本三昧可能。自然公園、エキスポランド…と、一家で学べて遊べる頼もしい場所です)

 最後のグループワークでは、初めて顔を合わせたメンバーが、「本講座は、単なる読み聞かせのハウツーを学ぶのではなく、〈思い〉を学び伝える講座ということがよく理解できた」など講座の印象や、参加の動機を生き生きと熱く語り合い、〈絵本講師誕生〉への第一歩を力強く踏み出していました。
 来年(07)2月に全6編(リポート5編)を修了する予定。

(たかなし・かずこ/絵本講師)

★芦屋会場リポート第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編
★福岡会場リポート第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編
★東京会場リポート第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編

ほるぷフォーラム ★ 絵本で子育てセンター