「『らいおんコース』もいかがですか」と勧められたとき、正直言って、もう要らないかなと思っていました。転勤族のわが家にこれ以上荷物を増やしたくないし、息子も６年生で、毎晩の読み聞かせは卒業しているし……というのが理由でした。
しかし、「このコースは高校卒業ぐらいまでにゆっくり読んでもらえばいい」「いい本は、買わずに後悔することはあっても、買って後悔することは絶対ない」とのお話に、すぐに購入を決めました。
絵本が届くと、確かにそのとおりでした。私がまずウキウキ、ワクワク。家事や仕事のために読みかけで置いていた本を息子に横取りされてしまったり……（こら、お母さんが先！）。
書店や学校図書館でも売れ筋が幅をきかせている現在、この『ほるぷこども図書館』は、本当に子どもたちの血となり肉となるような本ばかりだと思いました。特に「らいおんコース」には、ぜひ読ませたいけれど、みずからは選ばないような戦争と平和、差別と人権をテーマにした本が多数あります。わが子も今後、思春期を迎え、悩み苦しむこともあるでしょう。そんなとき、これらの本や、それにまつわる思い出こそが大きな力になると信じています。
日常のふとした会話の中に、幼いころに読み聞かせていたいろんな本の一節が飛び出してきます。そんなひとときを家族で共有できること、そして、すばらしい本が手元にある幸せを実感しているこのごろです。
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