私の絵本体験記
「絵本フォーラム」37号(2004年11.10)より
一緒に絵本を読める時間を大切に思う
内田 都加さん(大阪府高槻市)

写真  「今日はこれだけ読んで」と、5歳の長男が腕いっぱいに絵本を抱えて布団に持ってくると、同じように2歳の弟も両手にお気に入りの絵本を持って、にこにこしながら私のほうへやってきます。「今年の5歳のバースデープレゼント、ほるぷフォーラムの絵本にしない?」と夫に提案し、わが家にたくさんの絵本が届いて以来、絵本タイムがすっかり恒例のものとなりました。それは想像以上に豊かな時間でした。
 ほるぷフォーラムのお話を聞かせていただく機会があり、「絵本に与えすぎということはありませんよ」との言葉に、多くの絵本を一度に与えていいものかと迷っていた私の心は決まりました。そして、好奇心を刺激させられる絵本が家にたくさんあり、いつでも手に取り、その世界に入っていけることが子どもにとって(大人にとっても)、どんなに幸せなことかわかるまで時間はかかりませんでした。
 子どもとともにお話の世界を自由に旅できるだけでなく、あるときは『三びきのやぎのがらがらどん』を声色を変えて読むお父さんと子どもたちの笑い声が部屋に響いたり、またあるときは、お兄ちゃんが自分のお気に入りの『ロージーのおさんぽ』を弟に読んでやるほほえましい姿があったりと、絵本を通して自然と生まれる時間によって、家族みんなの心まで少しずつ豊かになっていくように感じられるのです。
 私自身も幼いころから、父や祖父のひざの上でよく絵本を読んでもらいました。そんな心の宝物を、私も夫も息子たちに伝えていければと願っています。
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