私の絵本体験記
「絵本フォーラム」31号(2003年11.10)より
絵本は息子たちの教科書
仁藤 美幸さん(山形県山形市)

写真  「今日はどの本にしようかなぁ」。
 こんな声が聞こえてくるのも今では当たり前になりましたが、1年前までは恥ずかしながらビデオに子守りをさせていた状態でした。現在4歳の息子が3歳になるまで、ずっとビデオの教材に頼っていたのです。しかし、そんな日々が続いていくうちに、息子の耳に、心の中に私の声が届いていないような、何とも言えない隔たりを感じるようになりました。
 そんなとき、ほるぷフォーラムと出会い、絵本で息子と心のふれあいができればと、読み聞かせを始めてみることにしました。ビデオづけの日々から脱出できればという思いから始めたのですが、気がつくとビデオを卒業できたほかにも、いろいろなことがありました。
 まず、始めて3カ月もしないうちにひらがな、カタカナが読めるようになり、1年たった今では漢字もたくさん読めるようになりました。
 また、大好きな『ふたりはともだち』を読んでいたとき、「がまくんのいえをたずねました」というところで、「ママ、『たずねる』というのは、『人に聞く』ということと『行く』ということ、両方『たずねる』なんだね」と言うのです。言葉一つ一つの意味を考えながら聞いていたことに、とても驚きました。子どもが絵本から学ぶことは計り知れないと実感した出来事でした。
 ビデオとは違い、生の声はきちんと子どもの心に届き、たくさんのことを感じ取ってくれていると思います。私も息子も変わることができ、すばらしい絵本に出会えたことに感謝しています。布団の中で1歳の弟に兄が読んであげている姿を見ると、本当に幸せな気持ちになります。これからも私の声を息子たちの心にたくさん残してあげたいと思っています。
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