私の絵本体験記
「絵本フォーラム」31号(2003年11.10)より
読み聞かせは親子の癒しの時間
刀川 早苗さん(石川県河北郡)

写真  「娘には本の好きな子になってほしい」、それが私たち夫婦の願いでした。しかし、絵本の選択は大変難しく、悩んでいたときに、ほるぷフォーラムの森さんと出会いました。いろいろアドバイスをいただくうちに、絵本の奥深さがわかってきて、私たちの絵本を見る目も変わってきました。
 ほるぷフォーラムの絵本は、私たちでは見つけることができなかったいろいろなジャンルのものが入っており、それらを前に、娘はどんどん新しいものを吸収していきました。とても表現力が豊かになって、自分の感情や考えをうまく言葉にできるようになってきたのです。また、同じ絵本を何度も読むことがありますが、その都度、細かな発見をしながら楽しんでいるようです。
 娘と同じ時間を共有し、絵本の中の色や言葉、形、時には香りやあたたかさを感じられるようになりました。そうしていくうちに、より深く娘の気持ちや考えが理解できるようになったと思います。ふとしたときに出てくる娘の一言の中に絵本と同じ言葉を見つけると、「今、あの絵本の世界にいるんだなぁ」と思えるようになりました。
 不思議ですが、イライラすることがあっても、読み聞かせをしていると、お互い気持ちが落ち着いてくるのです。娘のためにと思って始めた読み聞かせでしたが、実は読み手である私自身が癒されていたことに気がつきました。
 絵本を読んであげられる時期は、長いようで、とても短いと思っています。これからも毎日すてきな絵本に囲まれて、貴重な時間を大切に楽しんでいきたいと思います。
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