私の絵本体験記
「絵本フォーラム」30号(2003年9.10)より
読み聞かせを継続してきた5年間
村主 慈さん(兵庫県神戸市)

写真  5歳の娘がいます。出産で入院していた病院で、絵本の読み聞かせの冊子を見ました。私が本をたくさん読むようになったのは大きくなってからで、もっと早くから本を読んでいたら、考え方の幅も広がっていただろうなと、いつも思っていました。
 娘が生後4カ月のとき、すべてのコースを家に置きました。高額なので迷いましたが、ほるぷの方に、「小さいときでも大きな子が読むような本に興味を持つこともあるし、親が選んで買っていたら、絶対に出会わないようなジャンルの本を好むこともある」という話を聞き、なるほどなと思い、決めました。
 1歳までは、本を破ったりかじったりで、腹を立てていましたが、それもすぐに終わり、じっと聞くようになりました。幼稚園に入るまでは1日に5冊以上読んでいました。今は寝る前に1冊ですが、『ダンプえんちょうやっつけた』など、少々長編のものになってきました。この5年間で、年齢に関係なく、本当に幅広いジャンルの本を読んできました。印象に残っているのは、3歳のときに、『ひろしまのピカ』を毎日のように「読んで」と言われたことです。何か感じるものがあったようで、何に興味を示すかわからないなと思いました。
 読み聞かせを続けたら、一体どんな子に成長していくのだろうと、子育ての実験のつもりで毎日続けてきました。子どもによかれと思い、してきたことですが、気がつくと、私も表現力が豊かになっていました。自分の変化にも喜んでいます。
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