私の絵本体験記
「絵本フォーラム」26号(2003年1.10)より
子育てを面白くしてくれる読み聞かせ
保仙 澄子さん(大阪府箕面市)

写真  わが家には、4歳の娘と2歳の息子がいます。ばたばた過ごす1日の中でゆっくり本を読んであげられるのは、夜寝る前ぐらいです。けれども夕食を食べた後、お風呂、お片づけ、はみがきと、一番慌ただしく過ぎていく後なので、私の「早くしなさい! もう本を読む時間がなくなるよ」というどなり声と、娘の「いやだー!!」という泣き声の状態のまま、布団に入ることもしばしばです。そんな時でも絵本を読むとお互い落ち着きを取り戻すことができ、気持ちよく眠ることができています。
 2人とも本が好きですが、下の息子はお腹の中から聞いていたせいもあるのか、上の娘向きの少し長めのお話でもじっと聞いています。そして、私は眠る前の最大の敵〈睡魔〉と戦いながら読むのですが、ぼーっとして途中で本を落としたりすることがよくあります。娘は静かに寝かせてくれますが、息子は声も出さず私の身体をたたき、怒ります。めずらしく息子が途中で眠ってしまってもやっかいなことが起こります。夜中に目が覚めた時「本を読んでほしい」と言わんばかりに泣きながら私を起こすのです。すくっと座ってスタンドをつけ、寝る前に読んでいた本で私をたたきます。はじめはわけがわからず寝かしつけようとしていましたが、それでは余計に泣くばかりでした。そこで本を読み出すとすっと横になり、1ページも読まないうちにすぐに眠ってしまうことがわかりました。きっと、とても心残りなのですね。
 5月には3人目の子どもが生まれる予定です。これからもいろんな本を親子で楽しんでいきたいと思います。
前へ次へ