私の絵本体験記
「「絵本フォーラム」18号(2001年9.10)より
今の時代だからこそ、絵本を…
塚田 敬美さん(大阪府大東市)

写真  「あ、またやわ。毎朝ニュースを見るのがこわくなるなぁ」、これがわが家で最近よくかわされる会話です。テレビをつけると未成年者の犯罪や、私と同世代の親たちによる虐待。どうしてこんな事に…と耳をふさぎたくなるようなニュースばかりが続きます。どんなに愛しても愛し足りないと思えるわが子にどんな思いで手をかけるんだろう。愛されて育てられたはずの子らがなぜそんな犯罪に手を染めるのか。そう自問するうち私は、読み聞かせを通して親子共々心に平安を抱き、互いに絆を深めていかなくては他にこの時代の子育てを乗り切る方法はないのでは…と思えてきました。
 今年の冬に第2子を授かり、心のゆとりがなくなる中、長女が絵本を「読んで」と来るときこそ私の腕の中で甘え安らぎたい時なのに「ちょっと待ってね。」、と言ったことが多く、本当に悔やまれます。主人公と自分とを重ね合わせてハラハラドキドキ、そしてハッピーエンドに長女のほころぶ顔。絵本を通して心に安らぎを感じ、そして愛されているのを知っていくようです。絵本にはなんと癒しの力があることでしょう。そしてそれを見る私の心も同じように癒されていくのを感じます。次女が生まれた今年がわが家の「読み聞かせ元年」となりました。
 絵本の選択は今、長女の役目です。自分用と4ヶ月の次女用とを持ってきます。長女の方から読むのですが、次女の方をふと見ると私の声に合わせニコニコと笑っています。これ以上ない程の幸せを感じ、ほるぷフォーラムとの出会いに感謝しています。そして絵本の力を多くの子育てに悩むお母さんに知ってもらいたいと思います。
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