『かさじぞう』 (福音館書店) |
あけましておめでとうございます。「一年の計は元旦にあり」と言いますが、まさか小さい子どもがいるご家庭で、テレビとこたつの番してたということはないと思いますが、皆さんはどんなお正月を過ごされましたか。
「かさじぞう」のお話を子どもの頃に聞いたことがある人も多いと思います。昔話や民話は伝わった地方や再話した人によってお話が少し違うようですが、ここでは福音館書店の『かさじぞう』(瀬田貞二・再話、赤羽末吉・画/福音館書店)をご紹介します。赤羽末吉さんの絵本の処女作ですが、雪国を描くには雪の恐ろしさを知らねばと、雪のひどい頃の雪国を5年ほど通って歩き回ったそうです。その体験があるからこそ、水墨で描かれた絵からは雪の肌や湿感まで感じられるのでしょう。雪深い山奥で暮らす貧しいおじいさんとおばあさんのお話ですが、あたたかさがしみじみと伝わってくるのは、お地蔵様が読者にも豊かな心という宝物を分け与えてくれたからかもしれません。 |