リレー

赤ちゃんの笑顔に出会うには
(宝塚・ママーズケア助産婦・南田 理恵)


写真  地域で働く助産婦として、妊娠・お産・赤ちゃんの子育てをお手伝いしています。自宅出産から超豪華出産、薬剤での無痛分娩など選べる時代「自分で選んだ満足できるお産」をしていただきたいと思っています。それにはまず、自分の身体を知ることが大切と、両親学級『プレおや教室』で話しています。たとえ、緊急帝王切開となっても、納得できていれば満足なお産といえるのではないでしょうか。私自身、一人目は自宅出産、二人目は帝王切開となりました。どちらも自分で選びましたから満足しています。納得できないお産をすると「この子のためにお産で苦しんだ」と思う場合もあり、子育てを楽しめないのは残念だと思います。子どもとの甘い時間を過ごすために、「自分のお産」を見つけてほしいと願っています。
 妊娠中のお腹の中で、赤ちゃんはじっとママや周りの音を聞いています。生まれてきた後いちばん安心できる音は、ママのやさしい声なのです。目の見えない時でも、大人の聞こえない音を聞いているともいわれ、耳はよく発達しています。この世に生まれてきてお腹の中の世界と全く違う、まぶしくてママの心臓の音や声が聞こえない不安を思い、赤ちゃんとの触れあいを大切にしてあげてほしいのです。子どもとの触れあいとして、絵本は効果的なのではないでしょうか。「赤ちゃんに何を話したらいいかわからない」とおっしゃる方も、絵本を読むことで赤ちゃんの笑顔と出会えるはずです。そして子どもの喜びを感じ、親も幸せな時間を過ごせることと思います。
 また、タッチケアが欧米でブームとなり、日本でも注目を集めています。赤ちゃんをマッサージしてあげているその時間は何も邪魔されない親子の時間であり、大切なことであるといわれています。赤ちゃんの笑顔がママの笑顔をさそい、赤ちゃんが笑うという、コミュニケーションの輪ができ、赤ちゃんの欲求がわかりやすくなります。子育てのモデルのない時代、親子の触れ合いが悩みを解決するヒントになるのではないかと思っています。
絵本フォーラム23号(2002年07.10)より

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