<2010年度・第3回「絵本講師の会」交流会 >

 11月14日芦屋市民センター会議室にて第 3 回「絵本講師の会」交流会が開催されました。遠方より来られた方、大勢の参加者の中、賛助会員のご友人の参加もありました。

 午前の部は「絵本・わたしの旅立ち」と題して中川正文先生の記念講演会でした。「9月に体調を崩しまして」、と言われ心配致しましたが、「絵本講師・養成講座」を受講時にお聞きした講義と変わらず、年齢を感じさせない語りや、絵本に対する思いを伝えたいという気迫はより強くなられているようにも感じられました。

 初めに、「大事な宝物になるようなものを持って帰ること。来た時より帰る時変わって帰ること」と話されました。宝物になるお話を持って帰ろうと講演を心して聴くことができました。

 子どもにとって悪い時代がきている。危険な時代がやって来て文化も混乱している。と危惧され1年生の子どもの書いた詩を紹介されました。子どもはちゃんと見ている。子どもがどう考えているかを大人が知らなければならないと言われていました。

 子どもに絵本を読むことで親も成長する。親は絵本を届けるだけに一生懸命になりすぎているように思うと言われ、私も気をつけなければならないと改めて思い、親子で共に成長することの大切さを感じ、伝えていかなければならないと思いました。

 『すみれ島』(今西祐行 / 文、松永禎郎 / 絵)を朗読してくださり、会場では涙して聞かれている姿がありました。

 人は思い立ったら最後までつらぬく、それが人間の生きる作業である。「りんごの木」を例えられ、互いにりんごの木のおはなしのようにあきらめない暮らしをしていただきたい。と締めくくられ、2時間の講演は終わりました。まだまだお話足りない感じも致しました。あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、お元気な中川先生のお姿に皆、尊敬と感謝の拍手を贈りました。

 中川先生の伝えておきたいお話を直接お聞きすることができ、とても貴重な時間と宝物をいただきました。私たちは、絵本講師としてより多くを学び体験し、りんごの小さな種かも知れませんが蒔いていくことで、木になり、花が咲き、実がなるように種を蒔いていかなくてはいけないと思いました。

 昼食の後、午後の部は懇親会を開催しました。

 井下陽子副会長(芦屋1期)の挨拶の後、自己紹介と続きました。司会者から「1分間でまとめて時間を守ることは講師として大切だと思ってお願いします」と言われ、自己紹介がスタート!しましたが、話したいことがたくさんある方が多数おられ、事務局の方が持っておられた、合図の(チン!)も鳴らすのも忘れさせるぐらいに皆さん近況報告や活動について話をされていました。

 自己紹介の後、各支部の挨拶と活動報告がありました。4支部の代表(東京支部は都合により欠席)が、講座や勉強会などの様子を報告し、支部で集まって語り合うことの楽しさがお話から伝わってきました。交流会がきっかけで近くに住んでいることがわかり、支部が誕生したというエピソードやロゴマークができましたなど、笑顔溢れる各支部の報告でした。

 今回の交流会で近くに支部があることがわかった方や、近くに住んでいるなどがわかった方などがおられ、今後も絵本講師の輪が広がることを嬉しく思いました。

 次に事務局よりお知らせがありました。

 井下陽子副会長より、梅田俊作・佳子先生の『おじいさんもようちえん』の制作状況の報告があり、「もうしばらくお待ちください。楽しみにしていて下さい」とのことでした。

 「絵本講座報告用紙」の変更、また、藤井代表の書籍『先行世代が伝え損なった家族の姿』が3刷になったとことの報告がありました。

 そのあと、大長咲子副会長(芦屋1期)より絵本講師の会編「絵本講師の本」出版企画のお話がありました。

 絵本の紹介本ではなく、講師の絵本体験・出会いなどを交えた内容で、募集人数に制限がありますが、是非応募してくださいと、素晴らしい企画のお話がありました。

 次に藤井代表よりお話がありました。講師の皆さんに@皆の影響力をなお強く結びついて欲しいA縁を大切に深く、隣と隣の人を知っている社会を作って欲しいB絵本講師としてのミッション、伝える仕事と同時に繋がれる社会をつくってください、と話されました。

 電子ブックについては、「文学書や美術書は電子になっても、絵本は紙の本として残る」。絵本は人間の手でめくる、人間のぬくもりで読むもの。とのお話に安心の思いと便利さの中の本当に大切なものを考え伝えていく必要性をすごく感じました。

 事務局のお知らせの後は、グループワークでした。各グループに分かれ、活動についての意見交換や、絵本の情報、活動で苦労したことやアドバイスなど語り合いました。絵本講師としてさまざまな方の意見や話を聞けるとても貴重な時間となりました。

 最後に大長咲子副会長(芦屋1期)「『絵本講師の本』を是非成功させましょう!」と閉会の挨拶をされ、交流会は終了となりました。

 終了が名残惜しく、もっと語り合いたい方がいたことと思います。朝のくもり空も、帰りには、空は明るくなっており、帰り道夕日と山の紅葉をみながら、次回の交流会での再会を楽しみにして、会場を後にしました。(みやけ・けいこ)



報告者:三宅 佳子(みやけ・けいこ)芦屋 5 期生



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