私の絵本体験記

「絵本フォーラム」91号(2013年11.10)より
わくわく感共有した「合言葉」
三宅 学泉さん(神奈川県川崎市)


 「読み聞かせ」を始めたのは、息子がお腹にいた頃。動機やヤル気は、現在とは全く異なり「活字好きになってほしい」という不純なものでした。
 そんなわたしの考えを変えていったのは、息子が10ヶ月の頃に友人に誘われて行った「ママカフェサロンDE絵本」という読み聞かせの会がキッカケでした。回を重ねると講師から我が子に合う絵本のリストがもらえ、我が家の絵本コーナーは充実していきました。
 日課とまではいかないまでも、読み聞かせを続けていくうちに、ある事に気がつきました。絵本の中のフレーズが親子の会話に紛れ込んでいることです。「ピチャン、ピッチャン」「うんとこしょ、どっこいしょ」「ドデンドドン」「アメコンコン」上げたらきりがない程。それらのフレーズを言う時、アイコンタクトがあったり……。
 それは、わたしが息子に、わたしが娘に、息子が妹に読み聞かせ、その内容やわくわく感を共有したものだけの「合言葉」のようで、とても温かく嬉しいものです。
 息子は、登場人物と自分を重ねたりしながら、絵本に励まされ勇気や知恵をもらい、やさしさを知り成長していきました。
 また「ママ読んで!」と手に取る絵本で、息子や娘の心の状態も分かり、絵本を媒介にしてわたし達は繋がっているのだ、と思えてなりません。(みやけ・まなみ)

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