おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第84号(2012.09.10)








『うみざざざ』
ひがしなおこ / さく きうちたつろう / え
 くもん出版

 男の子が海水パンツをはいて、海辺にやってきました。「さく さく」熱い砂の上を歩いて波打ち際までやってくると、「ざざーん ざざざざざざざ ざっぱーん」と波が笑っています。男の子は、黄色い浮き輪を使って海で泳ぎ、海から上がってすいかを食べます。擬音語を多用したことばがリズミカルで、男の子に優しく微笑む青い海が色鮮やかに描かれています。


『ツリーハウス』
ロナルド・トルマン、マライヤ・トルマン / 作 西村書店

 ツリーハウスに白いクマと茶色いクマがやってきて住み始めます。すると、フラミンゴやサイやパンダなどもやってきます。そこへ、黒いクマが空からボートに乗ってやってきて、みんな付いて行ってしまいますが、白と茶色のクマだけは、ツリーハウスに残って雪や満月を楽しみます。青、黄色、ピンクなどが、透明感のある深い色で表現されている文字なし絵本。









『さがしています』
  アーサー・ビナード / 作 岡倉禎志 / 写真 童心社

 広島に原爆が落ちた8時15分の瞬間に止まった時計、原爆でごはんが黒焦げになって形がゆがんでしまったレイコちゃんのお弁当箱、原爆が落ちた瞬間座っていた人の影が焼き付けられた銀行の階段など、広島平和記念資料館の2万1千点の展示物の中から14点が選ばれて紹介された写真絵本。一つ一つの物が、芸術性の高い写真とその物たちにふさわしい言葉で私たちに語りかけてきます。


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