おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第83号(2012.07.10)









『おいしいよ』 
かんざわとしこ/文 ましませつこ/絵 こぐま社

 男の子がトマト、ソフトクリーム、バナナ、魚、ソーセージなど、自分の好きな食べ物を紹介し、「きみのすきなものはなあに」と聞くと、牛は草、猫は魚、鳥はサクランボ、ウサギは人参、ライオンは肉というように、さまざまな動物が好きな食べ物を紹介します。
  それぞれの動物が、色彩豊かに親しみやすく描かれながらも、食べるものについては自然の摂理に反することなく紹介され、言葉にもそれぞれの動物の特性が現れています。


『あまがえる先生 
まよなかのびっくりコンサート』 
まつおかたつひで/作 ポプラ社

 ダンゴムシのダンゴくんのところへ、あまがえる先生から真夜中のびっくりコンサートの招待状が届きました。ダンゴくんは、バッタくんたちと一緒に池の端の木の根元にある先生の研究所を訪ねました。夜になると、蛍が光り、モリアオガエルが結婚のために美しい声で鳴き始めました。それぞれの登場人物が擬人化されつつも、写実的で生き物の生態を踏まえている絵やストーリーが楽しい絵本です。









『岩をたたくウサギ』
よねやまひろこ/再話 シリグ村の女たち/絵 新日本出版社

 ある日、動物たちが「ゴォーゴ」という人をばかにする言葉を使った者はその場で皮になるという誓いをたてました。ところが、ウサギは、わざとおろかなことをして、ヘビやワニやウシやトカゲをだまして皮にしてしまいました。けれども、ウサギはホロホロ鳥にだまされてしまいます。西アフリカ、ガーナの北のサバンナ地方に伝わるむかしがたりを記号的でデザインに優れた伝統的な絵で表現しています。


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