おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第70号(2010.05.10)








●『もりのおとぶくろ』
わたりむつこ / 作 でくねいく / 絵 のら書店

 けがをしたおばあちゃんのお見舞いに、4ひきのうさぎのきょうだいが「森の音」をプレゼントすることにしました。4ひきは風や水の音や鳥の歌を見つけますが、どうやって持って帰っていいかわかりません。すると、大きなぶなの木が森の音の入った音袋を貸してくれました。黄緑と茶色を基調にしたやわらかな色彩が森の癒しの力を表現しています。


『どうぐでなにがつくれるの?』
マレーク・ベロニカ / 文と絵 
マンディ・ハシモト・レナ / 訳 風濤社

 ペーテルとノーラがおもちゃを片付けるために、お父さんがのこぎりや金づちなどの道具を使って棚を一緒に作ってくれました。ノーラたちは道具を片付ける前に、木切れでお人形の家を作ったり、橋や車や飛行機を作ったりしました。そこでママは子ども用の工具を買ってくれました。道具を使う楽しさや片付けることの意義がすっきりした線のペン画でわかりやすく描かれています。









●『フェドーラばあさんおおよわり』
  K.チュコフスキー / 作 V.オリシヴァング / 絵 田中潔 / 訳 偕成社

 フェドーラばあさん宅からフルイやほうき、お皿もお鍋もみんな愛想をつかして逃げ出しました。ばあさんはこれらの道具をこき使って洗いもしなかったからです。ところが、道具たちが疲れ始めたとき、ばあさんが歌を歌いながら道具たちの元へやってきて、これからは大切にするといいます。道具たちは家に戻り、幸せに暮らします。道具が逃げ出す絵がコミカルでフェドーラばあさんには親しみを感じます。


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