おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第64号(2009.05.10)








『でんしゃはうたう』
三宮麻由子/ぶん、みねおみつ/え、福音館書店

 お母さんと電車の先頭に乗った男の子が見たフロントガラスからの風景が電車の音とともに紹介された絵本。電車は踏み切りを超え、特急とすれ違い、大きな音をさせて橋を渡って速度を落として大勢の人の待つ駅に入っていく。
 詳細に描かれている線路がまるで電車に乗っているように感じさせるとともに、線路脇の風景がそこに暮らす人たちの生活を想像させて楽しい。 (税込価格 840円)


『テレビごっこ』
高木さんご/作、古内ヨシ/絵、ひさかたチャイルド

 きつねくんがいぬくんに大型テレビを見に来て欲しいと誘う。いぬくんが家に行ってみると、大きなダンボール箱があり、画面の部分が繰りぬかれていて、きつねくんがニュースを伝える。そこで、今度はいぬくんがきつねくんを招待して、ダンボールのテレビで人形劇を見せたり、「とびだすテレビ」といって、画面からケーキを差し出したりする。最後はもっと楽しいことをしようと外で遊ぶ。ごっこ遊びがいきいきと描かれた絵本。(税込価格 1260円)









『ひみつのカレーライス』
井上荒野/作、田中清代/絵、アリス館

 フミオのカレーライスの中に入っていたカレーの種をお父さんとお母さんと一緒に土に埋めると、黄色い芽が出てきて、水をたっぷりやると、お皿の葉っぱが出てきて福神漬けの花が咲き、カレーとライスの実がなった。フミオの家族は一生懸命世話をして、町中にカレーの匂いが広がり、大勢の人がカレーライスを楽しんだ。レトロな家族や町の風景がカレーの木のナンセンスなおかしさを増幅している。(税込価格 1470円)


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