おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第63号(2009.03.10)








『ヘビのひみつ』
  内山りゅう / 写真・文 ポプラ社

 日本によくいるアオダイショウやヤマカガシなどのヘビの脱皮、日向ぼっこ、泳ぎ、木登り、ネズミや卵などの獲物を食べる様子、排泄、ヘビの卵と赤ちゃんの様子などが写真と簡単な文章で紹介された絵本。巻末には「目の秘密」「体温の秘密」のような項目でヘビの生態情報が掲載されている。ズームレンズを使った写真が私たちの身近にいるヘビの様子をいきいきと伝えている。 (税込価格 1260円)


『ニコラスどこにいってたの?』レオ・レオーニ / 作 谷川俊太郎 / 訳 あすなら書房

 野ねずみのニコラスはおいしい野いちごを探しに出かけ、大きな鳥につかまったが、もがいてヒナのいる別の鳥の巣に落っこちた。母鳥はニコラスにおいしい野いちごを見つけてきてくれた。ニコラスが地上に降りると、ねずみたちがやってきて、ニコラスの話の前半を聞いて「鳥なんかくたばれ」と憤慨したが、後半を聞いて 1 羽の悪い鳥だけで全部の鳥を悪いと決め付けてはいけないということがわかった。洗練された画面が寓話的なストーリーをうまく表現している。(税込価格1575円)









『よぞらをみあげて』ジョナサン・ビーン / 作
さくまゆみこ / 訳 ほるぷ出版

 家族みんなが寝静まった夜、「わたし」は目が冴えて眠れない。ふと窓から吹いてきた風を辿って屋上に上がる。おふとんや枕を持って、屋上のベッドにもぐりこむと、都会の町並みに広がる空がどこまでもどこまでも続いているのが見え、心安らかに眠ることができた。水彩を使った眠りを誘うような夜の風景が魅力的。(税込価格 1260円)


前へ ★ 次へ