それに比べて、今の子ども達の時間の過ごし方に不安を覚えます。公園で数人並んでベンチに座り、皆それぞれのゲーム機に必死に興じている姿を何度となく見かけています。それが仲間なのでしょうか。そのように過ごした時間は、いつ思い返してもキラキラ輝くような思い出に、心の糧に、果たして成り得るのでしょうか。
『いま、子どもたちがあぶない!』(斎藤惇夫他共著/古今社)という本の中で「今、それも待ったなしで、子どもとメディアの問題を考えなければならない」とあります。
この本は『子ども・メディア・絵本』というタイトルのセミナーを文章化したもので、会話形式でとても読みやすく書かれています。小児科医、児童文学者、元保母、幼児教育学者のそれぞれ著名な 4人が、様々な角度から、メディアの子どもたちに対する影響をわかりやすく語り、またメディアを乗り越えていく道を、更に絵本の活かし方をも示唆してくれています。
私もほんの2年前までそうでしたが、実際に子育て中の方々で、そのようなメディアの恐ろしさについて詳しく知っている方は案外少ないのではないでしょうか。知らないまま社会に流されて、子どもを危機にさらしているという背景も多いのではないかと思います。
そんなことにならないためにも、ぜひ子どもが寝た後の「ほっとタイム」に、この本を手にとっていただきたいと願います。知ることは、防御策の第一歩だと思うのです。
これから子どもにプレゼントを買う機会の増える季節です。キラキラ輝く思い出がたくさん作れるような、そんなプレゼントを選んであげて欲しいと思います。
(なかむら・りな) |