私の絵本体験記
「絵本フォーラム」46号(2006年05.10)より
続・久しぶりの絵本
古賀 万寿夫さん(福岡県前原市)

写真  妻は結婚する前、保育士だったため、子どもにとっての本の大切さをよく理解していた。私も小学校のころには、毎日必ず図書館に行き、本を借りて帰ったぐらい本が好きだった。
 だから、我が家では長女(11歳)が生まれるとすぐに、赤ちゃん向けから小学校低学年向けまでの本をセットでそろえ、夜、寝る前に2人のどちらかが『いない いない ばあ』などの本を読んであげていた。長男(8歳)のときにもそれは続き、幼稚園の年中の父兄参観では、先生から頼まれて、クラスの子どもたちの前で私が紙芝居を読んだこともある。
 しかし、次女(2歳)は赤ちゃんのころから妻にべったり甘えていて、妻が風呂に入っている間、私と絵本を読んでいても、妻が戻ってくるとたちまちその本を取り上げて、「お母さん、読んで」と抱きつくような調子だった。そのため、私も上の2人に比べると、一緒に絵本を読む機会は少なくなっていた。
 そんなとき、私の町に念願の図書館ができた。次女を連れていってみると、家よりずっとたくさんの本があることがうれしかったらしく、自分の好きな本を見つけて、私に「お父さん、読んで」と持ってきてくれた。こうして私は、数年ぶりに子どもと絵本を楽しむようになったのである。ただ、妻に言わせると、私の絵本の読み方は「まだまだ下手」だそうだが。
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