私の絵本体験記

「絵本フォーラム」115号(2017年11.10)より

「ずっと、残しておいてね♪」

北井 麻実 (大阪府豊中市)

北井麻美 ずっと、残しておいてね 「お願い! あともう1冊読んで! 」毎晩のように絵本のアンコールをくれる娘たち。

 子育てを始めて12年。3人娘は小6、小4、年長さんになりました。寝る前の絵本タイム、読書好きの長女は自分の好きな本を読んでいてほとんど参加しなくなりましたが、「今日もたくさん読ませてもらって幸せだな~」と思う毎日です。

  長女が生まれてしばらくは、絵本で子育てをすることになるとは思っていませんでした。きっかけは9年前の夫の転勤でした。2年間スペインに滞在することになり、当時3歳の長女と10カ月の次女に日本語に触れさせたくて、絵本を100冊ほど持参しました。

  丸一日、日本語以外の3ヶ国語の環境で過ごしていた長女と、0歳の次女。日本から持ってきた絵本は、私たち親子が海外で暮らす中で豊かな時間をくれ、新しい絵本が増えなくても、何度も同じ本で笑って楽しみました。

 その後三女が生まれ、寝る前の絵本タイムは本当に幸せな時間です。娘たちは「今日の絵本」を相談しながら選びます。私はその様子を見て、今日はこんな本を読んでもらいたい気分なんだと想像します。たまに懐かしい絵本を読むと、娘たちとその時期の思い出話で盛り上がり、絵本を通してこんなにも子育ての幅が広がるのだと気づかされています。

  「お嫁に行くときに持っていくから、ずっと残しておいてね」と言う娘たち。思い出がたくさんつまった絵本をこれからも大切にし、そしてこれからも子育てを楽しみたいと思います。

(きたい・あさみ)


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